鉄鼠の檻

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)
狂骨の夢』よりかは読みやすかったと思う。
やっぱり題材が欧州よりアジアのほうが落ち着くんだろうか……。
(って、『狂骨〜』でのキーは神道か)

一部では「トリックが破綻している」とかオチが納得いかないとか
いう意見もあるようで。
あ、たしかに鈴については「えー。そんなんあり?」と思わなくもなかったけどね。

私は、そもそも京極作品を「ミステリ」とか「推理モノ」として
読んでないからそのへん気にならないんだよねぇ……。
(じゃあ、何として読んでいるんだ、といわれればなんだろう。
ジャンルで読み分けているわけじゃないので、としか答えようがない。
あと元来「ミステリ」とか「推理小説」って手を出さないジャンルってのもあり
なじみがない)
そうそう、京極堂シリーズについてよく「物量があって読むのが大変」とか
「難しい漢字がいっぱいでてくる」とかいうタワケた意見を聞くと
「あ〜じゃあ、あなたは京極堂シリーズとは合わなかったんだね」思うわけです。
(それが善いとか悪いとかの問題ではなく)
だって、映画であれ小説であれなんであろうと
面白ければ長さなんか気にならんものだと思うんだよね。
(たしかに、持ち歩きはかばんの中の場所をとるのでちょっと……とは思う(笑))
そこへ読んでいる私に向かって「よく読めているね〜。すごいね」とかいうセリフは
誉めコトバにもなってないし、ナンセンスだと思わざるを得ない。
漢字にいたっては……難しい、といわれれば難しい、か……。
でも活字になっていて、固有名詞にはルビまで振られている。ともて親切。
これが音声ならもっとお手上げですよ!(笑)
しかし総ルビじゃないからなぁ。まさか、そこか!?

とはいうものの。
私は京極堂シリーズで、書かれるセリフ内容については半分もわかってないと思います。
(又市シリーズのほうは、おそらく大丈夫(笑))
なにせ、知識は関口巽と同レベル(いや、以下か)ですからね。
京極堂の会話については
同席している関口たちと同じ視点で読んでる。
よって、わけわからないところでちゃーんと登場人物が質問を投げてくれるので
「なんて親切なんだ……」などと思うわけです。
ん〜でもそれでいいんじゃないかなぁ、なんて思うのはおかしいかしらん。
会話のすべてを理解しなくてもいいようにできていると、思いたい。
今のところは。この後の作品からどうなるかわかりませんけどね。