絡新婦の理

絡新婦の理 (講談社ノベルス)

参りました。
姑獲鳥の夏』から順番どおりに読んでてよかった!
実に巧妙な仕掛けで、『魍魎の匣』よりも面白かったかも。
事件のシカケ、というより物語の仕掛けに参りました。
合間に挿入されるエピソードは小説じゃないと絶対に面白くない。
映像にしちゃうと体形や声で、そのシーンに登場している
人物がわかりすぎちゃうもの。
「あ、もしかしてこれはアノ人なんだろうな」、と思わせるくらいが
ちょうどいい。

それよりも「参りました」と思ったのは、ラストとプロローグの構成。
この小説の構成そのものが、蜘蛛の巣みたいなものなのね。
ぐるっと回る横糸なんだ。
で、合間に入るエピソードはいわば縦糸。
絶妙です。